自分自身で自分のことをしっかり認めて評価することが出来るようになると「自己肯定感」が育ちます。
テストの結果だけでなく、頑張る姿や努力している過程を認めて褒めると子どもはどんどん自分に自信をつけていきます。
親だけでなくいろんな人に褒めてもらったり、肯定するような言葉をたくさんかけられた子どもは確実に「自己肯定感」が育っていくのです。
自分の良さに気付き、自分でも認めてあげることができれば、今よりもっと前向きな気持ちで物事を捉えることが出来るようになります。
子どもが自分自身の良さに気づいて、自分の考えや行動に自信を持って過ごしてくれると、すごく嬉しいですよね。
自信を持って自分の考えを話したり、行動できるようになると自然と自分の事を好きだと言えるようにもなります。どんなことにも負けない気持ちが育ちます。
「自己肯定感」が育つと、自分に自信を持つことが出来るのでいろいろなことに積極的に取り組めるようにもなります。
「自己肯定感」って、どういう気持ちの事?
「自己肯定感」というのは、自分の長所(良い面)も短所(そうでない面)も含めて、自分自身のすべてをありのままで受け入れる事が出来ることを言います。
そしてそんな自分に対して、「こういう自分っていいよね」と思える感情のことです。
「自己肯定感」というのは、よく耳にするようになりましたが、昔から子どもの発達において重要視されてきたものの一つです。
心の根本にある気持ちで、私たち保育士や親は当たり前のように子どもの「自己肯定感」を伸ばそうとしてきました。
例えば、初めて子どもが寝返りをしたり、立つことが出来る。
一人で歩けるようになった時に、周りの大人は大げさなくらいに褒めて喜びますよね。
こういう「褒めて伸ばす」という行為が子どもの「自己肯定感」を伸ばす基本となっているのです。
「自分の事を好き」というのは「自己肯定感」から来る感情です。
「自己肯定感」というのは、ありのままの自分(本来の自分)を認める気持ちから始まります。
長所だけを見て、私ってこんなに素敵な所があるよねぇ~っという気持ちの奥にある部分まで考える必要があります。
いい面もそうでない面も含めて自分を認めて、「好き」になれると、いい事がたくさんあります。
例えば、何かに挑戦した時に「自己肯定感」が育っていると、その挑戦に成功しても失敗しても、自分の挑戦を自分で認め、褒める事が出来ます。
ポイントは、失敗したり、うまくいかなかった時でも自分の事をきちんと認める事が出来るようになっているかという事です。
自己肯定感をわかりやすく伝えるのにおすすめの本
子どもの成長過程で、自己肯定感を育てるといいというのは、広く知られるようになってきました。
「自己肯定感」を育てることは、子どもの成長に良い影響をたくさん与えてくれます。しかし、簡単にはできないと思ってしまいます。どうしても難しく考えすぎてしまうからです。
そんな時に、絵本を通して簡単に学ぶことができると、随分気が楽になります。具体的に「自己肯定感」を学べる絵本はあまりありません。
子どもにわかりやすく伝えようと思うなら、絵本の方がおすすめです。
絵本の良さは、小学生の子どもにはもちろんわかりやすいですが、大人でもじっくり学べるということです。
子どもと一緒に、楽しく「自己肯定感」について学ぶことができるので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
【おすすめの本】こころってふしぎ!わくわく!たのしいまいにちのつくりかた
こころってふしぎ!わくわくたのしいまいにちのつくりかた
絵・すみもと ななみ
監修・田中 輝美
編集・少年写真新聞社
なぜ、子どもの「自己肯定感」を育てる必要があるの?
現代の日本においては、若者(満13歳~29歳)の自己肯定感が低いと言われています。
自己肯定感が低いと、やる気がおきません。
どうせ自分なんて…、と思ってしまい、新しい事にもチャレンジしなくなります。
何をやっても出来ないんだ…、新しい事に挑戦するだけ無駄…。
若者にそういう意識が芽生え、広がっていくと社会全体でも将来に希望が持てないようになっていきます。
いろんなことに挑戦すること無駄だと感じてしまうような考えを持って、自分の子どもに育っていってほしいですか??
将来に希望が持てないと、最初から何もせずにあきらめるようになってほしいですか??
答えは、どちらも「NO(ノー)」ですよね。
子どもたちが、将来に希望を持って、いろんなことにチャレンジしていけるように、小さいうちから、「自己肯定感」を育てていく事は、本当に大切なのです。
今の日本の若者は自己肯定感が低いとよく言われるのは、事実。
自分の良さを知って、自分をきちんと評価し、自分を好きになるという事は、生きていく中でとても大切な物ではないでしょうか??
少し前に、日本を含む7か国の若者(満13歳~29歳)を対象に次の意識調査がありました。
その中でも、自己肯定感に相当する質問なかで、「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」と答えた若者の割合で比較してみると
- 自分自身に満足しているかという質問について
1位のアメリカが、全体の86%が、自分自身に対して満足していると回答しました。
それに対して、
日本の若者は、45.8%で、
最も低い結果でした。
日本の若者の半分が、自分自身に満足していないという事が言えます。
- 自分には長所があるという質問に対しては
1位から3位の国(アメリカ・ドイツ・フランス)が90%を超えました。
日本の若者は、68.9%で、
こちらも、7か国中で最下位の結果でした。
日本の若者の自己肯定感(自分の事を知り、良い所もそうでないところも認めてあげられること)の低さが表れていると言われます。
実際、自分の事を自分で知って、その長所も短所も含めて、自分で評価をして認めている大人も少ないと思います。
私も、自己肯定感は低いように感じます。
もっと、自分で自分を好きになれるようになりたいと思いながら、なかなかうまくはいきません…。
大人になってから、自己肯定感を育てるのは難しいのかもしれません。
どうして、日本の若者は「自己肯定感」が低くなってしまったのか?
日本の学校現場においては、評価される項目が「学力」を基準としているものが多いです。
「学力が高い」という事を基準に認められ褒められる場面がよくあります。
今の日本の教育現場では、「学力」以外に素晴らしい一面を持っている子どもが「褒められたり」「認められる」と言う機会が極端に少ないように感じます。
そして、それが子どもの「自己肯定感」伸ばすことを阻んでいると言ってもいいかもしれません。
「学力(テストの結果)」だけで判断されてしまうと、子どもはテストの結果を出すことだけを重視するようにもなります。
他に、得意な事や素晴らしい一面を持っていても、なかなか「自分の魅力」として認めてもらう機会は少ないものなのです。
日本の学校教育においては、たくさんの同級生の中で、子どもたちは常に周りと「学力」という基準で比較をされる場面が多くなります。
そういった中で、自分自身も周りのお友だちと比べて、「学力」を基準として優劣をつけて考えてしまいがちになってしまいます。
人と比べて、より上のレベルを目指そうとする原動力にすることは、とてもいい事だと思います。
しかし、優劣にこだわり過ぎると、他の子どもはできているのに自分が出来なかった場合に、子どもは自分の事を「ダメ」だと感じるようになり、劣等感を感じやすくなります。
- どうせ自分にはうまくできるはずがない。
- うまくできないなら、やっても無駄…
と、自己否定な気持ちを持ってしまう事にもつながります。
そう思ってしまうと、何もしたくなくなることもあります。
あまり自己否定的な気持ちを持っていると、失敗を恐れて挑戦するという事も避けてしまうようにまります。
「うまくいくかわかんないけど、一度挑戦してやってみよう!!」
「自分に出来るか不安だったけど、やってみたら、できるようになった!!」
という風な達成感を味わったり、新しい事にチャレンジして、自分の世界を広げる事も出来ません。
そうすると、
自分がどういうものを好きなのか?本当は、何をやってみたいのか??という事に気付くこともできません。
失敗しても、挑戦することを繰り返していく中で、好きなこと・夢中になれる事を見つけていけるのです。
また、その過程において、自分にはこんなに良い所(長所)があるんだと気付くことが出来たり、こういう部分が苦手なんだ(短所)ということもわかります。
もちろん、何かをした時に、その成果を褒めてもらえたり、その過程を褒めてあげる事は大切です。
褒めてもらえる事を励みに頑張ることも、悪い事ではありません。
しかし、何かをするときに「褒められる」という事を目標に頑張るのはどうでしょう??
他人と比べた「評価基準」や他人からされる「評価基準」にこだわりすぎていると、何にも出来なくなってしまいます。
どういう取り組みで改善できるの?
自己肯定感が低い事について、今出来る取り組みを考えてみました。
自己肯定感というのは、考え方や意識に関わってきます。
小学生のうちから、周りの大人の意識を変えたり、子ども自身の考え方を変えていくうちに、次第に変わっていきます。
少しずつ考え方を変えていけば、社会全体の考え方も変わってきます。
一人では変える事が出来なくても、ひとりひとりの考え方の変化によって、それが積み重なって変わっていきます。
子どもの自己肯定感を育むためには、自分で考え行動し挑戦することを体験させる!
子どもが、自分から「やってみよう」と思うには、
「できるんじゃないかな?」
「できるようになれるんじゃないかな?」
という自己肯定感をベースとした、自分への期待が必要になります。
子どもの自己肯定感を育むには、優劣で比べてはいけません。
また、成功や失敗にとらわれすぎてもいけません。
子どもが自分から、
「やってみた」
「前より、少し出来るように頑張れた」というチャレンジをした時に、
私たち大人が、そのチャレンジ自体が「すごいこと」と認めていってあげることではないでしょうか??
大人が認めてあげると、子供にも自信がつきます。
他人から得られる自信と自分自身で持つ自信によって、子どもの自己肯定感は育ちます。
本当の自信
というものは、
「失敗」しても、ダメなところがあっても、どんな時でも自分を信じれる力のことです。
失敗しても、また挑戦すればいいし、挑戦することが「すごい」事です。
ダメなところ(短所)があっても、それが自分。
ダメな所もしっかり親や周りの大人が認めてあげたり、活かしてあげる事も出来ます。
目標やゴールは、人それぞれ違って、それでいいんです。
自分がどう思うかという事を大切に考えていける事が、本当に大切になると思います。
この絵本を一緒に読むだけで、「自己肯定感」を育てたい時に伝えたいことが子どもにもしっかりと伝わります!
まとめ:「自己肯定感」を育てる事で、子どもの「強み」を伸ばせる
子どもに「自己肯定感」というものを伝えるのは少しむずかしいですよね。
そんな時、絵本を通すことで子どもに伝えておきたい事が、しっかりと伝わるようになります
「自己肯定感」を育てるうえで大切な子どもに自信を持たせるために、子どもが自分に自信を持つために、出来る事がわかるようにもなります。
絵本の中には、具体的な例も出ているので、小学校低学年の子どもにも理解できるので安心してくださいね。
また、言葉で説明するのが難しい「自己肯定感」という気持ちについて、この絵本を通すことによって子どもも受け入れやすくなります。
「自己肯定感」という気持ちがどういう気持ちで、どんなことをすれば高まっていくのかという事が子どもでも自然と考えやすくなっているのがおすすめポイントです。
また、大人にもすごくお勧めです。
特にいつも難しく考えすぎてしまう人にとっては、シンプルでわかりやすい内容になっているので、すんなりと頭に入っていくことでしょう。
この機会にぜひ一度チェックしてみるのは、いかがでしょうか?
「自尊心」と「自己肯定感」にの違いについて、こんな記事も書いています。
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